散るぞ悲しき
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
梯 久美子
「散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道」という本を読んだ。久々の5つ星といっていい!感涙ありの本だった。
自分達の家族を守るために、死ぬよりも苦しく生き延びて敵を釘付けにすることを実践した話だ。当時の将官の中では珍しく合理主義実践主義だったということがたびたび書かれている。そして、その元が家族愛であることから、この人たちは順番を間違えてはいない。家族愛>郷土愛>祖国愛であるべきなのだ。
こういう話を聞くたびにいい戦術家はいても、いい戦略家がいなかった、ということを感じさせられる。当初は重要な島と位置づけていた大本営が兵士を送り込んだ後にやっぱり捨てるといった場当たり的な考えしかないことは「戦局を知らぬ凡愚どもめが!」と思ってしまう(未来からの視点だからということは否めない)。本文から引用すると「戦いの現場には優秀な指揮官がおり、みずからの生命を顧みない勇敢な兵士がいた」という文が印象的だった。
いくら計算上、机上、理論上、で並べ立てても現場を顧みなくてはならない。戦争でなくても同じことだ。というか仕事に直結です!
友人が発した「俺達はあの戦争について何も知らない」ということを痛烈に感じる。世界的にも有名であるらしい硫黄島の戦いについてすら俺はその内容はほとんど知らなかった。
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